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あゆ、そして岡崎 [文化]

 映画「ヘルタースケルター」の主題歌が浜崎あゆみに決まったというニュースを聞いて思わず笑ってしまったが、もっと笑えることに浜崎あゆみは原作マンガの大ファンで、主役やる気まんまんで、「オールヌードも辞さない」と言ってたらしい。結局沢尻エリカがオールヌードになったわけだが、あゆの岡崎京子好きも意外かつ謎だよな。ところで、あゆと「ヘルタースケルター」のコラボレーションがあり得るのは21世紀も10年を経過したこの現代だからで、例えば岡崎京子がバリバリ現役だった90年代にはあり得なかったはず。何故なら当時はセンスのヒエラルキーがもっと厳然と存在したから。

 岡崎京子マンガのファンは浜崎あゆみなど当時聴かなかったはず。あ、当時浜崎あゆみデビュー前だから当然か。まあ、そうなんだけど、俺が問題にしてるのはセンスのヒエラルキーの問題で、岡崎京子はその頂点近くにおり、浜崎あゆみなんて底辺だろうと。両者が同じ作品で出会うなんて事は許されなかったはず。それが現在可能になったのは、ヒエラルキーが90年代、2000年代と次第に影薄くなり、ついに消滅・崩壊してしまったことを意味する。言い時代になったものだ。俺はこの時代を歓迎する。

 浜崎あゆみじゃダメで当時なら何がヒエラルキーの上位で映画の主題歌にふさわしかったかといえば・・・俺はステイタス主義者じゃないのでよくわからないけど、ルイ・フィリップとかじゃないの?当時ならね。じゃあ、今そういう「偉ぶりたい」人に向けてどんな音楽が、アーティストがふさわしいかというと・・・はっきり言って、該当するものがない。だからあゆでも別にいいのだ。

 センスのヒエラルキーが消滅した時代に岡崎京子マンガを映画化する意味なんてあるのか?と言う疑問もわくけど、はっきり言ってそれもないだろうな。まあここで何度も言ってるように日本映画界ではテキトーかつ不真面目なプロデュースが定着してるので、そういうバグも当然あり得る。日本映画のことだからもはや誰も文句言わないだろ。次は「オヤジギャル」がオシャレにゴルフする映画でも作ってみろ。

 まあ観に行かない映画の話だから基本どうでもいいんだけどね。

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