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小劇場のやつらは千羽鶴でも折ってろ

ハイチに千羽鶴折り機を 東大阪の町工場が寄贈
http://kyoko-np.net/2010020201.html

これは虚構新聞なのでジョークなわけだが、

ニュージーランドに勇気運べ、語学研修中止の中学生が折り鶴作製/横浜


こちらは本当である。

ハイチの時もやってたな、千羽鶴。

こういう記事を読むと思い出すのが、かつて「えんげきのぺーじ」なるサイトで盛り上がったとある議論。
それは、ネット上で評論家でもない一般客が作品を自由にけなしたり、コケにしたりするのは是か非かみたいな議論で、例えばラーメン屋入って金払って食べてすごく不味かったら、ブログとかに「不味かった」と書くのはどう考えても個人の自由で、また参考にする人もいるだろうから社会的に意義のある行為とも言えるし、是以外に答えなど見つからない筈なのだが、実作者の側からは「けなさないで欲しい」「言いたいこと自由に言わないで欲しい」という驚くべき主張がなされていた。

その根拠が「一生懸命爪に火をともす思いで作っているから」だと言う。一生懸命作っているものを簡単にけなすのは失礼だという論理。俺にとってはあきれるような論理で、つうか論理といえるシロモノですらなく、早速「批判は自由」の側で投稿発言したが、なんか相手にされなかったな。

千羽鶴もきっと一生懸命まごころを込めて折っているのだろう。現地人にとっては何も嬉しくないむしろ侮辱を感じるような贈り物でもこちらは一生懸命心を込めて作ったのだから受け入れろという論理。大いに似ているね。

背景には日本人特有の精神主義があると思う。努力は美徳、根性は美徳、理屈は許さんみたいな価値観。ゴキブリコンビナートなんかは集団行動の苦手なマイペース人間のあつまりで、ハイチの千羽鶴の話がバカにすべき笑い話として扱われる空気だけど、他の劇団は違うんだろうね。学生達がやる部活の演劇もそうだし、小劇場や新劇とかもきっと演劇にはそういう精神主義が蔓延しているんだろう。そこでは「一生懸命つくったものには文句言うな」という「論理」がまかりとおる。誠に持って恐ろしく、ますます他劇団との交流を閉ざす気に拍車がかかる。

ゴキブリコンビナート以外の演劇人に千羽鶴折る人を笑う資格はない。「一生懸命やったんだから批判するな」と主張する人たちに笑う資格はない。笑うな。つうかむしろお前達も折れ、千羽鶴。ニュージーランドに向けて折れ。送れ。


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